炭水化物を基盤とする新規ナノ医薬品: pH応答性シクロデキストリン/ゼイン/二酸化チタン系ナノ乳濁液にて、ケルセチンの持続的な放出と抗癌効果を強化する
Novel Carbohydrate-Based Nanomedicine: A pH-Responsive Cyclodextrin/Zein/TiO₂ Nanoemulsion for Sustained Release and Enhanced Anti-cancer Effects of Quercetin
- 出典：
- Carbohydrate Polymer Technologies and Applications
- 2025
- 11
- 100874
- DOI：
- 10.1016/j.carpta.2025.100874
- 要旨：
- ケルセチンの腫瘍組織への送達を強化すべく、シクロデキストリン・ゼイン・二酸化チタンナノ粒子で構成する乳濁液にケルセチンを封入した。ナノ乳濁液は平均粒径が80~120 nmの球状を呈し、ケルセチンの担持用量は47.5%であり、封入効率は87.8%であった。ナノ乳濁液はpH 5.4でケルセチンを放出するpH応答性を示し、放出は96時間持続した。ヒト由来肺癌細胞株A549および線維芽細胞L929(正常細胞)の共存下で、ナノ乳濁液は前者のみ選択的に細胞毒性を示した。