ケルセチンは細胞の生存・増殖・遊走・接着に関与する複数のシグナル伝達分子を調節して、ヒト由来転移性卵巣癌細胞の転移能を弱める
Quercetin attenuates metastatic ability of human metastatic ovarian cancer cells via modulating multiple signaling molecules involved in cell survival, proliferation, migration and adhesion
- 出典:
- Archives of Biochemistry and Biophysics
- 2021
- 701
- 108795
- DOI:
- 10.1016/j.abb.2021.108795
- 要旨:
- 転移性卵巣癌細胞PA-1を用いて、ケルセチンの転移阻害作用のメカニズムを解明した。ケルセチン濃度50 μMでPA-1を培養すると、PI3k/AktおよびRas/Rafのシグナル伝達がブロックされEGFRの発現を阻止した結果、PA-1の増殖と生存が阻害された。ケルセチンはまた、MMP-2および9の分泌を抑制し、密着結合分子(クローディン4および11)を下方調節した。これらの結果は、ケルセチンがPA-1の生存・増殖・遊走・接着を阻害して転移を阻止していることを示唆した。