ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはNR3C1を標的として、胃癌細胞に免疫原性細胞死を誘導する

Quercetin induces immunogenic cell death against gastric cancer by targeting NR3C1

要旨:
胃癌細胞株AGSおよびMKN45にケルセチンを投与すると、増殖を阻害し、アポトーシス・小胞体ストレス・免疫原性細胞死の誘導を確認した。NR3C1が過剰発現した細胞ではケルセチンの抗癌作用が打消され、NR3C1が標的であることを示唆した。バイオインフォマティクス解析はNR3C1の働きが免疫回避の促進を示しており、ケルセチンの主な役割は免疫原性細胞死であった。通常のAGSを移植したモデルマウスにて、ケルセチンの投与は腫瘍の拡張を顕著に抑制し、腫瘍組織中の免疫原性細胞死マーカーを増大した。しかし、NR3C1が過剰発現したAGSを移植すると、ケルセチンは抗癌効果を示さなかった。