ケルセチンによるうつ症状の治療: 前臨床研究のシステマティックレビューとメタ解析
Therapeutic potential of quercetin in depressive symptoms: a systematic review and meta-analysis of preclinical studies
- 出典:
- Frontiers in Pharmacology
- 2025
- 16
- 1598053
- DOI:
- 10.3389/fphar.2025.1598053
- 要旨:
- 2025年1月までに発表された、うつ病もしくはうつ様行動の動物実験にてケルセチン効果を検証した論文52件の、システマティックレビューとメタ解析を行った。結論として、ケルセチンは対照と比較してうつ様行動を著しく減少し、抗酸化作用と抗炎症作用を発揮した。主な改善項目は以下の通り。強制水泳試験における不動時間(標準化平均値差(SMD): -2.65, 95%信頼区間(95%CI): -3.22, -2.08, P<0.001)、オープンフィールド試験における中央帯に滞在した時間(SMD: 1.88, 95%CI: 1.14, 2.63, P<0.001)、尾懸垂試験における不動時間(SMD: -2.19, 95%CI: -2.82, -1.56, P<0.001)、スクロース嗜好試験における選択回数の増加(SMD: 1.91, 95%CI: 1.40, 2.42, P<0.001)、高架式十字迷路試験における開路に滞在した時間(SMD: 1.53, 95%CI: 0.91, 2.15, P<0.001)。この他、抗酸化および抗炎症マーカーにおいても有意差を認めた。