ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンとshTERTとの組合せはP53/Bax経路を介して卵巣癌にアポトーシスを誘導し、RGD-MSN/ケルセチン/shTERTナノ粒子は治療効果を高める

Quercetin combined with shTERT induces apoptosis in ovarian cancer via the P53/Bax pathway, and RGD-MSN/QR/shTERT nanoparticles enhance the therapeutic efficacy

要旨:
ケルセチンは濃度依存的に卵巣癌細胞株ES-2およびSKOV3の増殖を阻害した。その際、ケルセチンはP53に結合して、細胞周期を停止してアポトーシスを誘導した。テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)が過剰発現した卵巣癌細胞では、TERTがP53に結合するためケルセチンの抗癌効果を打ち消した。shTERTにてTERTをサイレシングしてもES-2とSKOV3のアポトーシスを観察したが、ケルセチンと組合せると増強効果を認めた。卵巣癌細胞(ES-2とSKOV3の2通り)を移植したマウスにケルセチンとshTERTを共担持したナノ粒子を投与すると、対照に比べて腫瘍組織の成長を顕著に阻害した。また、ケルセチンを単独担持したナノ粒子にも抗癌作用を認めたが、shTERTとの共担持には及ばなかった。