ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ネットワーク薬理学と分子ドッキングによる、青蒿常山(Qinghao Changshan)の抗コクシジウム作用の解明

Deciphering the anticoccidial mechanism of Qinghao Changshan formula through network pharmacology and molecular docking

要旨:
中医学では、ペットや家畜のコクシジウム症の治療に青蒿常山(Qinghao Changshan)が用いられている。各種データベースから取得したコクシジウム症と青蒿常山に共通する遺伝子は11種であった。遺伝子オントロジー解析の結果、化学物質への応答・受容体への結合・受容体経由のシグナル伝達が、生体プロセス・細胞成分・分子機能の上位項目であった。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)解析は、接着斑・カルシウムシグナル伝達・MAPKシグナル伝達が上位3項目であり、EGFR・ESR1・PGRの3種をコクシジウム症における標的蛋白質(受容体)と特定した。分子ドッキングにて、3種受容体と高い親和性を示した青蒿常山の構成成分はイソラムネチン・ケンフェロール・ケルセチンであった。