ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

葉酸を機能化した新規スマートリポソームにて、ケルセチンを標的送達する癌治療

Novel Folic Acid-Functionalized Smart Liposomes for the targeted delivery of Quercetin against cancer

要旨:
エイコサペンタエン酸を基盤とするリポソームを薄膜水和法にて葉酸で修飾した後、ケルセチンを封じ込めた。得られたリポソーム製剤の粒径は106.4±0.458 nm、ゼータ電位は−16.3±0.60 mV、ケルセチンの封入効率は92.69±0.25%であった。ケルセチンの放出はpH7.4よりpH5.0にて活性であり、pH応答性を確認した。子宮頸癌細胞株HeLaおよび肝癌細胞株HepG2におけるリポソーム製剤のIC50値はそれぞれ、3.76および6.42 μg/mLであった。一方で、正常細胞であるHEK293には毒性を示さず生体適合性を認め、溶血試験は陰性であり静脈注射が可能である。