ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンを担持したナノ粒子製剤の物性および生物学的性質の比較: アメリカミズアブ(Hermetia illucens)の幼虫由来の低分子量キトサン vs. 甲殻類由来の通常のキトサン

Physicochemical and Biological Properties of Quercetin-Loaded Low-Molecular-Weight Chitosan Nanoparticles Derived from Hermetia illucens Larvae and Crustacean Sources: A Comparative Study

要旨:
由来の異なるキトサン、すなわちアメリカミズアブ(Hermetia illucens)の幼虫由来の低分子量キトサンと甲殻類由来の通常のキトサンのそれぞれを用いて、ケルセチンを担持したキトサンナノ粒子を調製した。ナノ製剤の粒径は幼虫由来が307±24 nm、甲殻類由来が180±17 nmであり、ゼータ電位は−39.3±1.8および−7.5±1.1 mV、ケルセチンの封入効率は77±7および65±3%であった。幼虫由来は8時間で100%のケルセチンを放出したが、甲殻類由来は50時間を要した。DPPHラジカル消去作用は両者間で差がなく、どちらも良好な結果であった。抗菌活性には顕著な差を認め、大腸菌における阻止円は10±0.1および9±0.2 mmで、Micrococcus flavusでは9±0.2および8±0.4 mmであり、いずれも幼虫由来が有意であった。