ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンを含むリポソームによる赤血球の酸化ストレスの軽減: 有望な戦略

Mitigating oxidative stress in red blood cells with quercetin-loaded liposomes: a promising strategy

要旨:
ケルセチンを含むリポソームを調製し、ABTSラジカル消去作用を評価した。ケルセチンを含まない空のリポソームは活性を示さなかったが、ケルセチンを含むリポソームはフリーのケルセチンに比べてラジカル消去活性が向上した。健常者34名から採取した赤血球をtert-ブチルヒドロペルオキシドで酸化ストレスを与えた後、リポソーム製剤を投与した。その結果、赤血球中のマロンジアルデヒドを顕著に低減し、グルタチオンは大幅に増加した。被験者は幅広い年代層を対象としており、若年・中年・老年の各層に分けて解析した。マロンジアルデヒドおよびグルタチオンのベースラインは年代層で差があり、加齢による酸化ストレスの上昇を示した。しかし、リポソーム製剤の抗酸化作用は全ての年代層で有効であり、ヘルシーエージングを実現する可能性を秘める結果となった。