ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

EGFR/ACSL4経路を介する腎尿細管上皮細胞のフェロトーシスを阻害して、ケルセチンは葉酸が誘発した腎線維症を軽減する

Quercetin Alleviates Folic Acid-Induced Renal Fibrosis by Inhibiting Tubular Epithelial Cell Ferroptosis via EGFR/ACSL4 Pathway

要旨:
Vivo: 葉酸で惹起した慢性腎臓病(CKD)のモデルマウスにケルセチンを投与すると、対照と比べて顕著に腎組織のα-SMA・コラーゲンI・フィブロネクチンを低減して、腎線維化を抑制した。腎組織では鉄・マロンジアルデヒド・ACSL4が低減し、EGFRの発現が下方調節されて、ケルセチンによるフェロトーシスの阻害を示唆した。Vitro: 腎尿細管上皮細胞HK-2を葉酸で刺激して、CKDにおける尿細管の損傷をシミュレーションした。ケルセチンの投与はEGFRの発現を下方調節し、鉄・マロンジアルデヒド・ACSL4を低減して、フェロトーシスを阻害した。以上の結果、CKDにおけるケルセチンの腎線維化の抑制作用の分子メカニズムとして、EGFR/ACSL4の調節によるフェロトーシス阻害を提唱した。