ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

リンゴの搾りかす由来ミクロフィブリルおよびナノフィブリルセルロースと、フラボノイドのペア(ケルセチン/ルチンおよびナリンギン/ナリンゲニン)を含むリポソームから成る、複合材料の物性

Properties of composites based on microfibrillar and nanofibrillar cellulose from apple pomace and two pairs of flavonoids–quercetin/rutin and naringin/naringenin in liposomal form

要旨:
フラボノイドとその配糖体をペアで含むリポソームを、セルロースフィルムに吸着した。フラボノイドのペアにはケルセチン/ルチンとナリンゲニン/ナリンギンの2通りを実施し、セルロースは食品加工の廃物としてのリンゴ由来ミクロ繊維およびナノ繊維である。フラボノイドの吸着は複合材料の親水性を増加するが、水蒸気バリア性が向上した。吸着は光透過率を低下し、特にケルセチンはUV~可視光~近赤外線に至る波長の光を遮断し、他のフラボノイドは主にUVを遮断した。吸着はまた、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性も獲得した。よって、フラボノイド、特にケルセチンを吸着したセルロースフィルムは水蒸気バリア性・光遮断性・抗菌活性を有し、食品保存に適した素材である。