ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

銅イオノフォア錯体ES-Cuはケルセチンとの相乗効果にて、FDX1を標的とし肝細胞癌細胞にキュプロトーシスを促進して、レンバチニブ耐性を逆転する

Copper ionophore complex ES-Cu synergizes with quercetin to target FDX1, promote cuproptosis, and reverse lenvatinib resistance in hepatocellular carcinoma cells

要旨:
銅イオノフォア錯体ES-Cuは肝細胞癌細胞株Huh7およびLM3にキュプロトーシスを誘導するが、レンバチニブ耐性を獲得した細胞には無効であった。レンバチニブ耐性はキュプロトーシス関連遺伝子FDX1を下方調節するが、ケルセチンはFDX1に結合してミトコンドリアの酸素消費速度を増強した。その結果、ケルセチンの存在下では、レンバチニブ耐性細胞においてもES-Cuによる銅の蓄積が起こり、キュプロトーシスが復活して、生存率を相乗的に低下した。レンバチニブ耐性LM3を移植したマウスモデルにES-Cuとケルセチンとの組合せを投与すると、対照やそれぞれの単独投与時と比べて顕著に腫瘍組織の拡大を抑制して、相乗効果を発揮した。