ケルセチンはCelsior液におけるヒト臍帯間葉系幹細胞の冷所保存効果を高める
Quercetin enhances the cold storage effect on human umbilical cord mesenchymal stem cells in Celsior solution
- 出典:
- Cryobiology
- 2025
- 120
- 105299
- DOI:
- 10.1016/j.cryobiol.2025.105299
- キーワード:
- ヒト臍帯間葉系幹細胞
- Celsior液
- ケルセチン
- 生存率
- 要旨:
- ヒト臍帯間葉系幹細胞(MSC)をCelsior液(一般的な臓器低温保存液)中で保存する際の、同液中へのケルセチン添加の有無を比較した。ケルセチンを添加したCelsior液で保存したMSCは、無添加の場合と比べて有意に高い生存率を示した。この保存にてMSCの増殖能は低下したが、免疫表現型や多分化能には影響がなかった。以上の結果は、ケルセチンによる酸化ストレスの軽減(SOD活性の上昇・活性酸素種およびマロンジアルデヒドの減少)と代謝の活性化(ATP産生の増加)の関与を示唆した。