腸内細菌叢の代謝制御とネットワーク薬理学による、イソケルシトリンの抗動脈硬化作用の解明
Uncovering the Anti-Atherosclerotic Effect of Isoquercitrin via Microbiome Metabolic Modulation and Network Pharmacology
- 出典:
- Journal of Agricultural and Food Chemistry
- 2025
- 73
- 23469–23485
- DOI:
- 10.1021/acs.jafc.5c09903
- 要旨:
- アテローム性動脈硬化症の動物モデルにイソケルシトリンを投与すると、血管に形成したプラークを縮小し、血中脂質プロファイルを改善した。イソケルシトリンはまた、腸内細菌叢にて有益な菌(ラクトバチルス属・Dubosiella・ユウバクテリウム属)が占める割合を増加した。これらの有益菌群は、イソケルシトリンの脱グルコース化を担うβ-グルコシダーゼや、ジヒドロケルセチンおよび3,4-ジヒドロキシフェニルプロピオンアルデヒドへ変換(代謝)する機能に関連している。ネットワーク薬理学は、アテローム性動脈硬化症におけるイソケルシトリンの標的をHSP90βと予測しており、分子ドッキングにてHSP90βと高い親和性を示した関連化合物はイソケルシトリンの代謝物であるケルセチンとジヒドロケルセチンであった。