ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

AsPC-1とHepG2細胞の3D培養にて、ケルセチンはHIF-1αおよびMDR1を阻害して、ゲムシタビンとドキソルビシンの細胞毒性を増強する

Quercetin potentializes the respective cytotoxic activity of gemcitabine or doxorubicin on 3D culture of AsPC-1 or HepG2 cells, through the inhibition of HIF-1α and MDR1

要旨:
ケルセチンと既存薬との組合せは、抗癌作用の増強に留まらず、新たな性能を獲得した。膵癌細胞株AsPC-1にケルセチンとゲムシタビンの組合せを作用させた場合と、肝癌細胞株HepG2にケルセチンとドキソルビシンの組合せを作用させた場合は、それぞれの既存薬単独の場合と比べて、癌細胞の死滅が最大で60%向上した。更に、癌細胞の転移や薬物耐性に関与するHIF-1αの発現抑制と、薬物排出ポンプMDR1の阻害作用は、組合せで実現できた。