ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

黄耆由来の多糖類ミセルを用いるルチンの効率的な送達は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を阻害してPD-L1を下方調節する

Effective Delivery of Rutin Through Astragalus Polysaccharides Micelles for Downregulating PD-L1 by Inhibiting Matrix Metalloproteinases

要旨:
カルボキシフェニルホウ酸とルチンを縮合して、新規ルチン誘導体を合成した。得られたルチン誘導体を黄耆由来の多糖類とエステル縮合して、ミセルを合成した。このミセル製剤はpH 6.8にてルチンを放出するpH応答性を有しており、癌細胞内の微小環境中でもルチンを放出した。その結果、ミセル製剤の悪性黒色腫細胞の阻害活性は、フリーのルチンの1.49倍に向上した。同細胞を移植したマウスにミセル製剤を投与すると、腫瘍組織の壊死面積を拡大して、生存率を改善した。ミセル製剤は腫瘍細胞浸潤部におけるインターフェロンγの分泌を促進して、免疫チェックポイントであるPD-L1を阻害した。