ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

統合失調症における治療効果の増強: ケルセチンが標的を調節する、オランザピンと越鞠丸(Yueju pill)との併用

Enhancing schizophrenia treatment efficacy: The combined impact of Yueju pill and olanzapine through quercetin target modulation

要旨:
統合失調症の患者97名を対象とする、既存薬オランザピンと中医学で用いられる越鞠丸(Yueju pill)との併用効果を検証した臨床研究。無作為化・二重盲検で実施した。被験者を2群に分け、片方の48名はオランザピンと越鞠丸との併用治療を行い、比較対照群の49名はオランザピンとプラセボとの組合せを服用した。オランザピンの服用量は最初の1週間は5 mg/dayとし、必要に応じて最大20 mg/dayまで増量した。8週間の治療期間が終了した時点において、症状・認知機能・社会的適合性に関する治療効果は併用群が93.75%で、対照群の73.47%に有意であった(P<0.05)。また、脳由来神経栄養因子・ドーパミン・セロトニンの各マーカーの増大も併用群が有意であった(P<0.05)。ネットワーク薬理学解析の結果、越鞠丸に含まれるケルセチンが有効成分であり、ドーパミン経路における遺伝子発現を調節した。