ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

水溶化したケルセチン3-O-ルチノシド(ユビオケルセチン)の微生物学的および薬物動態の側面: in vitroおよびヒト臨床試験におけるケルセチンとの比較

Microbiological and Pharmacokinetic Aspects of a Water-Soluble Quercetin 3-O-rutinoside, EubioQuercetin: A Direct Comparison With Quercetin in In Vitro and Human Clinical Studies

要旨:
ユビオケルセチンとはケルセチン-3-O-ルチノシド(ルチン)を水溶化した製剤であるが、ケルセチンとの違いを比較した。糞便培養のin vitro実験にて、ユビオケルセチンはケルセチンと比べて顕著に、有用菌であるBlautiaとRuminococcus gnavusの存在比を増加し、Faecalibacteriumは減少した。無作為化・オープンラベル・クロスオーバーで実施したヒトを対象とする薬物動態試験にて、ユビオケルセチンが示した血中濃度時間曲線下面積(AUC)と最大血中濃度到達時間(Tmax)はそれぞれ、ケルセチンの4~5倍および2~3倍であり、消失半減期は2倍に延長した。一方、検出したケルセチン代謝物の種類と比率は、ユビオケルセチンとケルセチンとで一致した。また、同時に調査した腸内細菌叢はin vitro実験と類似した傾向を示した。よって、ユビオケルセチンは腸内細菌叢の異化と代謝を促進するため、ケルセチンとは異なる変動を示した。