ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはERK1/2-GSK3β-CypD経路を調節して、BMP-15が欠損した卵母細胞の酸化ストレスを軽減する

Quercetin ameliorates oxidative stress in BMP15-deficient oocytes by regulating the ERK1/2-GSK3β-CypD pathway

要旨:
骨形成因子15(bone morphogenetic protein 15, BMP-15)は卵母細胞が分泌して、その体外成熟を促進する。BMP-15の欠損は、卵母細胞の体外成熟を損なうだけでなく、ミトコンドリア不全と活性酸素種の蓄積を伴うことが知られている。CRISPR-ctRNPにてBMP-15を欠損させた卵母細胞にケルセチン(10 μM)を添加すると、体外成熟とミトコンドリア不全の両方が回復した。活性酸素種はERK1/2を不活性化して、その下流にあるGSK3βの活性化とCypDの増大により卵母細胞の体外成熟を阻害した。一方、ケルセチンはERK1/2を活性化して、卵母細胞を保護した。