ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

アルツハイマー病リスクのある高齢者の認知機能と運動機能を改善する老化細胞除去剤のパイロット研究

A pilot study of senolytics to improve cognition and mobility in older adults at risk for Alzheimer’s disease

要旨:
ダサチニブとケルセチンとの組合せによる老化細胞除去剤の安全性と予備的な効果を、高齢者を対象に単群試験にて検証した。被験者は2週間おきに2日間、ダサチニブ(100 mg)とケルセチン(1250 mg)との組合せを12週間に亘って服用した。12週間の服用期間を完結した被験者は12名であり、深刻な有害事象は認めなかった。認知機能の評価指標であるモントリオール認知尺度(Montreal cognitive assessment, MoCA)は平均で1.0 (95%信頼区間: −0.7, 2.7)向上し、MoCAのベースラインが低い層では2.0 同: 0.1, 4.0)向上した。血中のTNF-αは3% (同: −13.0%, 7.0%)減少し、MoCAとTNF-αとの間には顕著な負の相関を認めた(r=−0.65, P=0.02)。