ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

心筋細胞にてケルセチンは、MDM2を介するp53のユビキチン化と分解を促進して、β1アドレナリン受容体の自己抗体が誘発した心不全を回復する

Quercetin reverses β1-adrenoceptor autoantibody-induced heart failure by promoting MDM2-mediated ubiquitination and degradation of p53 in cardiomyocytes

要旨:
β1アドレナリン受容体の自己抗体(β1-AA)で惹起した心不全のモデルマウスにケルセチンを投与すると、心機能と生存率が回復した。予めケルセチンで処置した心筋細胞H9c2は、その後のβ1-AA処置によるオートファジーの阻害を予防した。ケルセチンはMDM2を介してp53をユビキチン化するため、マウスとH9c2の両方でp53の発現を下方調節した。p53のノックダウンはH9c2におけるオートファジーを促進し、p53の過剰発現はケルセチンの効果を打消した。よって、ケルセチンによるオートファジーの回復は、p53依存的である。