解郁(Jieyu)と主成分のケルセチンは、カルシウムシグナル経路を介する神経再生と炎症の調節にて、不安ストレスを軽減する
Jieyu I formula and Its Primary Component Quercetin Alleviate Anxiety Stress by Modulating Neuroregeneration and Inflammation via the Calcium Signaling Pathway
- 出典:
- Journal of Ethnopharmacology
- 2026
- 356
- 120820
- DOI:
- 10.1016/j.jep.2025.120820
- 要旨:
- 中医学の精神科にて解郁(Jieyu、四逆散の製剤)は広く用いられているが、その作用機序を解明した。解郁と不安に関する遺伝子情報を基にするネットワーク薬理学解析は、カルシウムシグナル経路(CaMK2/CAM/CREB)と不安との関連を予測した。分子ドッキングの結果、解郁の主成分であるケルセチンが、コア蛋白質であるカルシウムカルモジュリン依存性蛋白質キナーゼ(CaMK2)およびカルモジュリン(CAM)と高い親和性を示した。拘束ストレスで惹起した不安のモデルマウスに解郁もしくはケルセチンを投与すると、オープンフィールド試験における不安行動を減少し、神経炎症の軽減と神経再生の促進も同時に認めた。また、作用機序として、カルシウムシグナル経路(CaMK2/CAM/CREB)の活性化を確認した。