ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

pH感受性リポソームを用いたケルセチンの送達は、5-FUとの相乗効果を発揮して胃癌を治療する

Bioinspired pH-sensitive liposomes for quercetin delivery to synergize with 5- FU in gastric cancer therapy

要旨:
ケルセチンを胃に送達すべく、ナチュラルキラー(NK)細胞膜で表面を修飾したリポソームに封じ込めた。得られたNK細胞様のリポソーム製剤はpH応答性であり、pH 5.4にて72.75%のケルセチンを放出した。リポソーム製剤と5-FUは相乗的に胃癌細胞株N87の増殖を阻害し、併用係数(CI: combination index)は0.68に達した。胃癌細胞(NCI-N87-LUC)を皮下注射したマウスモデルにリポソーム製剤と5-FUとの組合せを投与すると、対照やそれぞれの単独投与時と比べて顕著に腫瘍組織の拡大を阻害した。