ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはグルタミン輸送体SLC1A5を阻害して、結腸癌細胞の薬物耐性を克服する

Quercetin overcomes colon cancer cells resistance to chemotherapy by inhibiting solute carrier family 1, member 5 transporter

要旨:
P糖蛋白質を介する多剤耐性が知られる多剤耐性細胞SW620/Ad300 に、ケルセチンを33 μMの濃度で作用させると、ドキソルビシンの細胞毒性を劇的に改善した。ATPを原動力とするP糖蛋白質の運搬をケルセチンが阻害することで、ドキソルビシンの細胞間蓄積を増大させた。ケルセチンはD-グルタミンとD-グルタミン酸の代謝を阻害するため多剤耐性を無効にするが、その本質は、SW620/Ad300中に存在するグルタミン輸送体SLC1A5 (solute carrier family 1 member 5)の阻害作用であった。