ケルセチンの摂取は、医療従事者の新型コロナウィルス肺炎の発症を予防する: 先行的な臨床試験
出典: Life 2022, 12, 66
https://www.mdpi.com/2075-1729/12/1/66
著者: Mariangela Rondanelli, Simone Perna, Clara Gasparri, Giovanna Petrangolini, Pietro Allegrini, Alessandro Cavioni, Milena Anna Faliva, Francesca Mansueto, Zaira Patelli, Gabriella Peroni, Alice Tartara, Antonella Riva
概要: 120名の医療従事者を対象とする、ケルセチンによる新型コロナウィルス肺炎(COVID-19)の予防効果を検証した臨床研究です。医療従事者ですから、一般の方に比べて感染リスクが非常に高いのが特徴です。この研究は、イタリアの病院で行われました。
被験者をランダムに2群に分け、60名はケルセチンが250 mg入ったカプセルを1日2回飲んで、毎日500 mgのケルセチンを摂取しました。残る60名はケルセチンが入っていないカプセルを飲んで、比較対照群としました。
摂取期間は3か月とし、3週間おきに全員が迅速COVID-19診断を実施しました。この期間中に出たCOVID-19の発症者は、ケルセチン摂取群で1名、比較対照群で4名でした。これだけでも顕著な予防効果ですが、彼らの完全寛解に要した日数は、もっと驚くべきデータです。ケルセチン摂取群が7日で、比較対照群の平均は15日でした。以前の研究で、ケルセチンの重症予防効果が既に検証されていますが、今回の結果で更にデータが補強されました。
試験開始5か月、すなわち摂取期間の終了から2か月の時点で、COVID-19を発症しない割合は、ケルセチン摂取群で99.8%、比較対照群では96.5%でした。このデータを統計的に処理した結果、ハザード比が14.04と算出されました。
この数値は、ケルセチンを摂取しない場合のCOVID-19の発症リスクが、摂取した場合の14倍であることを意味します。
キーワード: ケルセチン、新型コロナウィルス肺炎、発症予防、ハザード比