ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

メチルグリオキサール処置した健康なマウスの 血中および組織中のメチルグリオキサールと終末糖化産物をケルセチンが低減する

出典: The Journal of Nutrition 2021, 151, 2601–2609

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022316622003297

著者: Yantao Zhao, Yao Tang, Shengmin Sang

 

概要: 終末糖化産物とは、糖が縮合して劣化した蛋白質の総称で、動脈硬化・心筋梗塞・認知症・癌など深刻な病気の原因となります。また、皮膚に蓄積すると、しみ・しわ・たるみを引き起し、老化を進行させる原因にもなります。この厄介な終末糖化産物の産出を、ケルセチンが効果的に抑えることが、今回報告されました。

終末糖化産物の前駆体(その物質が生成する前の段階にある物質)として知られているメチルグリオキサールを、健康なマウスに与えると、当然ながら終末糖化産物が体内で作られます。しかし、ケルセチンを一緒に与えると、血液・肝臓・腎臓からメチルグリオキサールが除去されました。0.2%のケルセチンを飲ませると、1週間後に効果が現れましたが、0.1%のケルセチンでは6週間後となりました。

マウスの体内からは、ケルセチンとメチルグリオキサールとが結合した錯体が見つかりました。しかも、ケルセチンを飲ませる量を増やすとそれに比例して、この結合体も増加することが分かりました。これらの事実は、ケルセチンがメチルグリオキサールを捕捉して、その動きを止めることにより、終末糖化産物を作らせないことを意味しています。

更に面白いことに、ケルセチンは、肝臓や腎臓で終末糖化産物の毒性を緩和する酵素の発現も促進することが分かりました。

これらの発見は、ケルセチンを摂取すると、いつもまでも若々しさを保てることを強く示唆しています。

キーワード: ケルセチン、終末糖化産物、メチルグリオキサール