ケルセチンが豊富なタマネギ粉末の継続的な摂取は、認知障害に伴う感情は改善するが、局所的な脳血流は改善しない
Continuous intake of quercetin-rich onion powder may improve emotion but not regional cerebral blood flow in subjects with cognitive impairment
- 著作名:
- Yuichi Hayashi
- Fuminori Hyodo
- Tana
- Kiyomi Nakagawa
- Takuma Ishihara
- Masayuki Matsuo
- Takayoshi Shimohata
- Jun Nishihira
- Masuko Kobori
- Toshiyuki Nakagawa
- 出典:
- Heliyon
- 2023
- 9
- e18401
- DOI:
- 10.1016/j.heliyon.2023.e18401
- 要旨:
- ケルセチンを豊富に含むタマネギ「さらさらゴールド」の摂取効果を検証した臨床研究。認知症患者13名と軽度認知障害の6名からなる75~83歳の被験者19名を、ランダムに2群に分けた。内10名は介入群として、さらさらゴールドの粉末11 g/day(ケルセチン50 mg/day相当)を12週間継続して摂取した。一方、残る9名は対照群として、ケルセチンを含まないタマネギ粉末をプラセボとして摂取した。摂取期間の終了後、認知機能の尺度であるMMSEと長谷川式認知症スケール、認知症の行動と心理症状の尺度であるNPIスコアを評価した。ベースラインからの変化に群間有意差を認めた項目は、MMSEの自発書字(文章を書かせる)のみであった(P=0.043)。また、マウスを用いる動物実験を別途実施した。ケルセチンは、高架式十字迷路試験にて不安行動は減少したが、脳血流は改善しなかった。